産業用太陽光野立て設置(施工)方法/太陽光発電の工事手順(その1)
エコ丸が産業用太陽光発電野立て設置/低圧連系2系統72KW(48+24)をなんと自作設置しました。
その施工手順を説明します。
まずは、基礎架台の搬入・荷降ろしと電動ハンマーによる杭まる(基礎杭)打設と除草(防草)シートの設置
から行いました。
杭材と単管パイプの荷降ろし
4tユニックによる単管パイプの荷降ろし作業。いよいよ始まります。
架台の基礎には、杭まるという単管パイプ杭を使用することにしました。
φ48.6mm L=1.5mの杭まるを1.2m打ち込む予定です。全部で156本
杭打ち位置の墨だし作業
まず、始めに杭打ち位置を墨出しします。打設する杭の4隅の位置を正確に出します。
杭打ち作業
墨だしした4隅の杭を打設します。杭打には電動ハンマーを使用しました。先端には
くい丸の打設専用のハンマーキャップを取り付けてあります。
4隅の杭を打設したら、単管パイプを定規代わりにして、ピッチ割して杭を打設します。
電動ハンマーで打ち下げます。打設はこのような感じになります。横向きですみません。
くい丸の杭頭部のアップ写真。上から10cmはテーパになっています。
除草(防草)シートの設置
産業用太陽光発電のメンテナンスで一番苦労しそうな、雑草対策として除草(防草)シートを設置しました。
今回使用したのは、アメリカのデュポン社のザバーン240BBです。かなり高かったのですが、この土地はかなり
強力な草が生えるので、安いものではシートを突き破ってくると思ったので、ザバーン240BBを採用しました。
幅2mのもの30m巻きを10本敷き詰めました。これで除草が楽になると思うと安いものです。
パネルを設置してから、除草シートを敷き詰めるのはとても大変な作業なので、除草シートの設置は必ず先に
やっておきます。除草に関しては、いろんな手法がありますが、費用と価格のバランスから除草シートの設置が
一番いいのではないかと思います。
杭打ちについて
杭打ちが終わりました。杭をまっすぐに打設するのは結構難しいです。
最初からパワー全開で打設すると杭の建ちが決まらないので、手持ちハンマーで
ある程度打設して、杭の建ちを決めてからハンマーで打設する(打ち下げる)と楽です。
電動ハンマーを使わずに、カケヤ(大ハンマー)で打ち込む事も出来ますが、数本までなら
それでいいですが、たくさんあるときは電動ハンマーかバックホーで施工しないと死にます。
太陽光発電架台の風圧荷重計算
今回の基礎部分はくい丸を採用しましたが、これで本当に大丈夫なのか一応計算してみました。
考えるのはパネルの裏面から風があたり、パネルを押し上げる力(杭を引抜く力)が
かかった場合です。
パネルが受ける風圧荷重の計算式
風圧荷重(N) = 受風面積×0.6×設計用基準風速^2×環境係数×用途係数×風力係数
この計算式から、パネル4枚にかかる風圧荷重を計算してみます。
風圧荷重(N) = 受風面積6.4m2×0.6×風速34^2×環境係数2.64×用途係数1.0×風力係数0.87
=10196N = 1040kgf
34m/sの暴風時に、パネル4枚には約1トンの力(1枚あたり250kg)がかかる事がわかります。凄い力ですね。
では、くいと太陽電池パネルはそれに耐えられるのか・・・
パネルの強度はカタログより2400Paとなっています。パネル1枚の面積は1.6m2なので、
1枚の強度は3840N=392kgfになります。パネルの強度392kg>風圧荷重250kg でパネルは問題ありません。
では問題のくい丸はどうでしょうか? パネル4枚をくい2本で受け持ちます。
杭にかかる重量=パネル重量72kg+架台重量36kg+基礎重量35kg=143kg
杭の引抜き抵抗力 (くい丸直径48.6mm 打ち込み長さ1.2m)
くい丸HPのデータより、引抜き抵抗力試験値の低い方のデータ2つの平均を取って
1m打ち込み時に550kgの抵抗力があるとすると、今回は1.2m打ち込むので1.2倍の
660kgとします。
杭の引抜き抵抗力=660kg*2=1320kg
全体の荷重=杭にかかる重量+杭の引抜き抵抗力=143+1320=1463kg
となり・・
風圧荷重1040kg < 1463kg でOKとなります。
大まかに言うと1トンの力がかかる予想で耐力が1.5tあるということになります。
計算上ではOKとなり、ひとまずは安心しました。
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